Claude Code入門
Claude Code は、パソコンの中のフォルダとファイルを直接扱えるClaudeです。プログラミングの知識がなくても、日本語で頼むだけで、CSVの照合や集計、結果ファイルの保存までを任せられます。経理担当者向けに、始め方と安全な使い方をまとめました。
2026年10月時点Claude Codeでできること
チャットでは、ファイルを1つずつ添付して、結果を画面で受け取ります。Claude Code では、Claudeがパソコンの中の指定したフォルダを直接読み書きします。
- フォルダの中のCSVやPDFを読み込む(PDFも、そのまま読めます。ただし10ページを超えるPDFを分けて読むには、パソコンに「poppler」という道具が必要です)
- 照合や集計のためのプログラムを自分で書いて動かし、正確に計算する
- 結果のファイル(CSVなど)と、作業の記録を、決めたフォルダに保存する
チームプランでは、各メンバーの利用枠にClaude Codeが含まれています(公式ヘルプより)。使える量を増やした「プレミアム」の枠もあります。
Claude Code と同じ仕組みを、コマンドを使わずにデスクトップアプリで使える「Cowork」もあります。Cowork は2026年9月にチャットとの統合が発表され、段階的に提供されています(公式の経理向けツール)。このサイトでは、フォルダとファイルを細かく管理できる Claude Code を中心に説明します。
AIの「作業机」を整える(ハーネスの考え方)
Claude Code の公式ドキュメントでは、Claude Code を「AIの周りで道具を用意し、AIが見る情報を管理する層」と説明し、この層をハーネス(馬具の「引き具」のように、力を仕事に結びつけるもの)と呼んでいます。 同じAIでも、何を読ませるか、どんな手順で進めるか、どこまで任せるかで、結果は大きく変わります。指示文を工夫する前に、AIが迷わず働ける「作業机」を整えることが出発点です。
公式ドキュメントでは、Claude Code は「情報を集める → 作業する → 確かめる」の3段階をくり返して仕事を進めるとされています。作業机を整えるとは、この3段階のそれぞれに必要なものを用意することです。
1材料:必要な資料だけを、分かる場所に
1つの仕事に1つのフォルダを用意し、元データ(input)・作業途中・完成品(output)を分けます。「今回使う正しい版(正本)はどれか」をはっきりさせ、関係のない資料は置きません。
経理の例:試算表は「9月末の確定版」1つだけを置く。修正前の版や、別の月のファイルを混ぜない。
理由:AIが一度に覚えておける作業スペース(コンテキスト)は、いっぱいになるほど性能が落ちます。公式ドキュメントでも、コンテキストは「最も大切な資源」とされています。
2約束:毎回伝えることを、CLAUDE.md に残す
金額の書き方、元データを変えないこと、完成の条件など、毎回守ってほしいことは CLAUDE.md に書きます。「きれいな資料を作って」のようなあいまいな書き方ではなく、守れたかどうかを確かめられる具体的な書き方にします。
経理の例:「数字には元データのファイル名を添える」「確認できない数字は『未確認』と書く」「input のファイルは変更しない」。
書いたルールが読み込まれているかは、入力欄に /context と入力して確かめられます(書き方のコツはテーマA)。
3手順と道具:くり返す仕事はスキルに
毎月くり返す仕事は、「何を受け取り、どの順で処理し、何を出すか」をそろえてスキルにします。ほかのツールとの接続(コネクタなど)は、最初から全部つなぐのではなく、1つの仕事で必要なものから増やします。
経理の例:まず勘定照合だけをスキルにし、安定してから仕訳チェックに広げる。
4確認:「できました」で終わらせず、実物を見る
AIの「完成しました」で終わりにせず、作られたファイルを開いて確かめます。さらに、AI自身が結果を確かめられる手段(件数・合計の突き合わせなど)を指示に入れておくと、誤りに早く気づけます。
経理の例:「最後に、補助簿の合計と、照合した科目の合計を出して」と頼み、自分でも Excel で合計を確かめる。
公式ドキュメントのベストプラクティスでも、「Claudeが自分の作業を確かめられる手段を与える」ことが、独立した項目として挙げられています。
すべてを最初からそろえる必要はありません。まずは「フォルダを分ける」と「短い CLAUDE.md」から始め、必要に応じて広げていきます。ハーネスを構成する要素の全体像は、上級者の入口の対応表にまとめています。
始める前に
- 練習用のフォルダを作る。例えば「書類」フォルダの中に「claude-練習」というフォルダを作ります。最初は、実際の会社のデータではなく、このサイトの練習データを使ってください。
- Claude Code に見せるのは、そのフォルダだけ。Claude Code は、選んだフォルダの中で作業します。ほかの大切なファイルがあるフォルダ(デスクトップ全体など)は選ばないようにします。
- 社内のルールを確認する。会社のパソコンにアプリを入れてよいか、どのデータを扱ってよいかは、情報システムの担当者や上長に確認してください。
始め方A:デスクトップアプリ(おすすめ)
macOSWindows追加のインストールは不要
Claudeのデスクトップアプリには、チャットのほかに「Code」タブがあり、そこからClaude Codeを使えます。Node.js などの道具を別に入れる必要はありません(公式ドキュメントより)。
- Claudeのデスクトップアプリを入れて、会社のアカウントでサインインします。
- 画面の上の中央にある「Code」タブを選びます。
- 「Local」(自分のパソコンで動かす)を選び、「Select folder」から練習用のフォルダを選びます。
- 送信ボタンの近くにあるモード選択で「Manual」を選びます。ファイルの変更など、ほとんどの操作の前に確認を求めるモードです(下の「安全に使うための3つのこと」を参照)。
- 入力欄に、やってほしいことを日本語で書いて送ります。
- Claudeが示した変更の内容を確認し、問題がなければ許可します。
ボタンの名前は、公式ドキュメント(英語)の表記です。日本語の画面では表示が異なる場合があります(要確認)。
始め方B:VS Code
VS Code 1.94.0 以降
VS Code(Microsoftの無料のファイル編集アプリ)を使っている方は、拡張機能として入れることもできます。ファイルの中身を横に並べて見ながら作業できるのが利点です。
- VS Code を開き、拡張機能の画面を開きます。Windows は Ctrl+Shift+X、Mac は Cmd+Shift+X です。
- 「Claude Code」と検索して、「Install」を押します。
- 「ファイル」→「フォルダーを開く」から、練習用のフォルダを開きます。
- フォルダの中のファイルを1つ開き、画面の右上に出る Claude Code のアイコン(Spark アイコン)を押します。アイコンは、ファイルを開いているときだけ表示されます。
- 最初に表示される画面で「Sign in」を押し、ブラウザで会社のアカウントの認証を済ませます。
- 入力欄の下端にあるモード表示から、「Manual」などのモードを選んで作業を始めます。
安全に使うための3つのこと
1モードを「Manual」にする
Claude Code には、どこまで自分で進めてよいかを決める「権限モード」があります。最近の版では、許可を求めずに作業を進める「自動のモード」が最初の設定になっていることがあります(公式ドキュメントより)。経理のデータを扱うときは、ファイルの変更やコマンドの実行など、ほとんどの操作の前に確認を求める「Manual」で使うのがおすすめです(ファイルを読むだけの操作は、確認なしで進みます)。
2初めての作業は「計画モード」で始める
計画モード(Plan)にすると、Claude Code はファイルを変更せずに、どう作業するかの計画だけを先に示します。計画を読んで、読むファイル・作るファイルが正しいかを確かめてから、Manual に切り替えて実行させます。
3元に戻す方法を知っておく
Claude Code は、自分がファイル編集の道具で直接行った変更を記録していて、あとから元に戻せます(公式ドキュメントより)。入力欄に「/rewind」と入力するか、入力欄が空の状態で Esc キーを2回押すと、戻したい時点を選べます。VS Code では、メッセージにマウスを乗せると表示される戻すボタンも使えます。ただし、コマンドやプログラムを動かして作ったファイル・変えたファイルは、この方法では戻せません。このサイトの Lv3 のように、プログラムを動かして結果を保存する作業では特に、元のデータを必ず別の場所にコピーしておいてください。
最初にやってみること(10分の練習)
代表レシピ「勘定照合の差異一覧をつくる」の練習データで、作業机の4つのポイントを試します。機密情報を含まない、この練習データから始めてください。
- 材料:練習用のフォルダの中に、
inputとoutputの2つのフォルダを作ります。R1のページから試算表と補助簿のCSVをダウンロードし、inputに入れます。 - 約束:同じページから CLAUDE.md のひな形をダウンロードし、練習用のフォルダの直下に置きます。入力欄に
/contextと入力し、CLAUDE.md が読み込まれていることを確かめます。 - 計画を先に出させる:下の指示文を送ります。いきなり作業させず、まず手順の計画と、足りない情報を出させるのがポイントです。
- 確認してから実行:計画を読み、使うファイルと出力先が正しければ「この計画で進めてください」と送ります。
- 実物を見る:作られたファイルを開き、R1 の「自分で確かめること」に沿って結果を確かめます。
input フォルダの試算表と補助簿のCSVだけを使い、2026年9月末の勘定照合をしてください。
目的は、差異のある科目を一覧にして、原因の確認を始められるようにすることです。
・input のファイルは変更しないでください。
・数字には、元にしたファイル名を添えてください。確認できない数字は「未確認」と書いてください。
・まず、作業の手順の計画と、足りない情報があればその一覧だけを示してください。私が確認してから作業を始めてください。
完成の条件:
・output フォルダに差異一覧のCSVが保存されていること
・最後に、試算表と補助簿の行数、補助簿の合計、照合した科目数を示していること「いい感じにやって」だけの頼み方より、目的・守ること・完成の条件を書いておくほうが、結果のどこを直せばよいかが分かりやすくなります。 Claude Code には、フォルダの中身を調べて CLAUDE.md の下書きを自動で作る「/init」という機能もあります。ただし、主にプログラムの開発用の内容になるため、経理の作業では、このサイトのひな形から始めて自分で書き足すほうが分かりやすいでしょう。
確認した公式情報
このページの説明は、次の公式情報で確認しました。Claude の機能や制度は変わることがあるため、使う前に最新の情報を確認してください。
| 記事名 | URL | 確認日 |
|---|---|---|
| Claude Code デスクトップアプリの始め方(Desktop quickstart) | https://code.claude.com/docs/en/desktop-quickstart | 2026年10月12日 |
| Claude Code デスクトップアプリ(モード選択など) | https://code.claude.com/docs/en/desktop | 2026年10月12日 |
| Claude Code の VS Code 拡張機能 | https://code.claude.com/docs/en/vs-code | 2026年10月12日 |
| 権限モード(Manual・自動のモード・計画モード) | https://code.claude.com/docs/en/permission-modes | 2026年10月12日 |
| 変更を元に戻す(Checkpointing) | https://code.claude.com/docs/en/checkpointing | 2026年10月12日 |
| CLAUDE.md と /init(Memory) | https://code.claude.com/docs/en/memory | 2026年10月12日 |
| Claude Code のしくみ(ハーネス・作業の3段階) | https://code.claude.com/docs/en/how-claude-code-works | 2026年10月12日 |
| Claude Code のベストプラクティス(コンテキスト・確かめる手段) | https://code.claude.com/docs/en/best-practices | 2026年10月12日 |
| Claude Code のツール一覧(PDFの読み込み) | https://code.claude.com/docs/en/tools-reference | 2026年10月12日 |
| Team または Enterprise プランで Claude Code を使用する(日本語版) | https://support.claude.com/ja/articles/11845131 | 2026年10月12日 |