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作る人とチェックする人を分ける

Claude Code の「サブエージェント」で、照合や集計をする「作業役」と、その結果を元データから計算し直す「検証役」を分けます。経理の職務分掌の考え方を、AIの作業にも取り入れます。

要確認の箇所があります

  • デスクトップアプリと VS Code で、作業用フォルダの .claude/agents/ に置いたサブエージェントが読み込まれることは、公式ドキュメントに明記されていません(同じ設定ファイルを読むとの記載から、読み込まれると考えられます)。このページの動作確認は、コマンドで動かす Claude Code で行いました

基本情報

経理にとっての価値
作業した本人(同じ会話)が自分の結果を見直すのではなく、独立した検証役が元データから計算し直すので、見落としに気づきやすくなります。検証の結果は、人が最終確認するときの材料にもなります。
難しさの目安
Claude Code に慣れた方向け。ファイルを1つ置くだけで始められます
前提
  • Lv3(Claude Code)でのレシピを、練習データで試したことがあること
  • テーマD(中級者の次の一歩)の「件数・合計の突合」の考え方を知っていること
情報の時点
2026年10月時点(公式情報の確認日:2026年10月12日)

ひな形

このページで説明している設定やファイルの見本です。自社の環境に合わせて書き換えて使ってください。

  • 検証役のサブエージェントのひな形(shogo-kensa.md)Markdown ファイル。作業用フォルダの .claude/agents/ に置いて使います。shogo-kensa.md をダウンロード

しくみ

サブエージェントは、特定の仕事を受け持つ「助手のClaude」です。公式ドキュメントでは、次のように説明されています。

  • それぞれが自分専用の作業スペース(コンテキスト)を持ち、決められた指示と、使ってよい道具だけで作業する
  • 作業が終わると、結果の要約だけを、もとの会話に返す

経理の作業では、これを「作る人」と「チェックする人」を分けるために使えます。

役割担当使ってよい道具
作業役ふだんの Claude Code(もとの会話)読む・書く・コマンド
検証役サブエージェント「shogo-kensa」読む・探す・コマンド(ファイルの作成・書き換えはしない)

検証役は、作業役の説明や途中の計算を見ずに、元データから計算し直して結果と突き合わせます。作業役の「思い込み」が、検証役に引き継がれにくくなります。

検証役のファイル

サブエージェントは、Markdown のファイル1つで作れます。作業用フォルダの .claude/agents/ に置くと、そのフォルダで使えるようになります(チームで共有できます)。

勘定照合/
├── .claude/
│   └── agents/
│       └── shogo-kensa.md   … 検証役のサブエージェント
├── input/
└── output/

ファイルの最初の部分(設定)は次のとおりです。

---
name: shogo-kensa
description: 勘定照合や集計の結果を、元データから独立に検算する検証役。照合・集計の作業が終わったあと、結果を確かめるときに使う。ファイルは変更しない。
tools: Read, Grep, Glob, Bash
---
項目意味
nameサブエージェントの名前
descriptionどんなときに使うか。Claude は、この説明を読んで、このサブエージェントに任せるかを判断する
tools使ってよい道具。Edit(書き換え)と Write(ファイルの作成)を入れていないので、ファイルを変更できない

その下には、検証役への指示(守ること、確かめること、報告の形)を書きます。ひな形をダウンロードして、全文を見てください。

使い方

照合の作業が終わったら、次のように頼みます。

shogo-kensa サブエージェントを使って、output/2026-09/ の照合結果を、input/2026-09/ の元データから検証してください。検証役の報告を、そのまま見せてください。

名前を指定して確実に使わせたいときは、入力欄で @ を入力し、一覧から「shogo-kensa (agent)」を選んで頼むこともできます(公式ドキュメントより)。

実際に試した結果

このページを作るとき、R1の練習データで試しました。結果ファイルの売掛金の数字を1か所だけ変えておいたところ、検証役は次のような内容を報告しました(要約)。

  • 売掛金の補助簿残高と差異が、元データから計算した値と一致しません(結果ファイル:8,890,000/46,400、元データから計算:8,888,000/48,400)。
  • 試算表にあって補助簿にない4科目(商品、資本金、売上高、給料手当)が、結果に「照合対象外」としても出てきません。

不一致あり

わざと入れた誤りに加えて、「照合対象外の科目が結果にない」という、ルールの抜けにも気づいています。このように、検証役の指摘が、作業の手順そのものを見直すきっかけにもなります。

必ず行う

自分で確かめること

仕組みを作ったら、本番で使う前に、次の点を自分で確かめてください。

  1. わざと誤りを入れた結果で、検証役が見つけられるか

    練習データの結果ファイル(R1の答え合わせ用ファイルなど)の数字を1か所だけ変え、検証役に確かめさせます。このページを作るときに試した際は、変えた1か所を見つけて「不一致あり」と報告しました。

  2. 検証役がファイルを書き換えていないか

    検証のあと、output フォルダのファイルの更新日時が変わっていないことを確かめます。テーマEの作業記録があれば、それでも確かめられます。

  3. 検証役の報告を、人が確かめたか

    検証役も間違えることがあります。「不一致」と言われた数字は、元データを開いて自分で確かめます。「すべて一致」と言われても、件数と合計だけは自分で見ます。

  4. 作業役と検証役で、同じ思い込みをしていないか

    どちらも同じ Claude なので、同じ誤解をすることがあります。例えば「照合対象外の科目」の扱いのように、ルールの解釈が分かれるところは、人が判断して CLAUDE.md に書いておきます。

注意点

  • 検証役は「ファイルを変更しない」設定にしていますが、コマンドの実行は許可しています(計算のため)。コマンドで何をしているかは、Manual モードで確認してください。
  • サブエージェントも、ふつうの会話と同じように利用枠を使います(公式ドキュメントより)。
  • AIどうしのダブルチェックは、人の確認の代わりにはなりません。最終的な責任は、確認した担当者にあります。

このページに出てくる用語

確認した公式情報

このページの説明は、次の公式情報で確認しました。Claude の機能や制度は変わることがあるため、使う前に最新の情報を確認してください。

記事名URL確認日
サブエージェント(Create custom subagents)https://code.claude.com/docs/en/sub-agents2026年10月12日
Claude Code デスクトップアプリ(サブエージェントの表示)https://code.claude.com/docs/en/desktop2026年10月12日
Claude Code の VS Code 拡張機能(サブエージェントの表示)https://code.claude.com/docs/en/vs-code2026年10月12日