レシピ R5

仕訳データの勘定科目・税区分をチェックする

仕訳データ(CSV)の摘要を読んで、勘定科目と消費税の税区分の誤りの可能性がある仕訳を洗い出します。判断の根拠に国税庁の情報を挙げさせ、決めきれないものは「要確認」に分けます。

要確認の箇所があります

次の点は、公式情報で確認できていません。実際の画面と違う場合があります。

  • 国税庁のサイトは作業環境から直接開けなかったため、国税庁のサイトに絞った検索の結果で内容を確認しました。実務で使う前に、各ページの原文と「現在の法令等」の日付を確認してください

基本情報

業務領域
日次処理/月次決算
所要時間の目安
Lv1は約15分、Lv2は登録に約20分(以降は毎月約5分)、Lv3は準備に約30分
情報の時点
2026年10月時点(公式情報の確認日:2026年10月12日)

使う前と、使った後

使う前

仕訳帳を1行ずつ目で追い、摘要と科目・税区分を見比べる。件数が多い月は見落としが出る。

使った後

誤りの可能性がある仕訳だけが理由つきで一覧になるので、判断が必要なものの確認に集中できる。

練習データとひな形

練習データはすべて架空です。実在の会社・取引とは関係ありません。

Lv1 チャットで試す

仕訳データのCSVを添付して、プロンプトを貼ります。ポイントは、判断の根拠を必ず書かせることと、決めきれないものを「要確認」に分けさせることです。

用意するもの

コピーして使えるプロンプト

あなたは経理担当者のアシスタントです。添付した仕訳データ(r5_shiwake_202609.csv、2026年9月分)について、勘定科目と消費税の税区分に誤りの可能性がある仕訳を洗い出してください。

【社内ルール】
・電気・ガス・水道の料金は「水道光熱費」にする。
・1つ(1組)10万円以上の物品は、消耗品費にせず確認する。
・税区分は、課税仕入10%/課税仕入8%(軽減)/非課税仕入/不課税/課税売上10% の5つを使う。

【手順】
1. 仕訳の件数を最初に教えてください。
2. すべての仕訳について、摘要(取引の説明)から見て、勘定科目と税区分が合っているかを確かめてください。
3. 誤りの可能性がある仕訳だけを、次の列の表にしてください。
   伝票番号/日付/摘要/今の処理/指摘の種類(勘定科目・税区分)/正しいと考えられる処理/理由・根拠/確度(誤り・要確認)
4. 最後に、チェックした件数、誤りの件数、要確認の件数を書いてください。

【ルール】
・税区分の根拠には、国税庁のタックスアンサーなど公式の情報の名前を挙げてください。
・摘要だけでは判断できないもの、会社の方針によって変わるものは「要確認」とし、何を確認すればよいかを書いてください。
・誤りがない仕訳は表に入れないでください。

期待される出力の例

判断の言い回しは毎回変わりますが、指摘される仕訳は次の10件になるはずです。

仕訳の件数:30件

伝票番号摘要(要約)今の処理正しいと考えられる処理理由・根拠確度
0003借上げ社宅 9月分家賃課税仕入10%非課税仕入居住用の住宅の貸付けは非課税(No.6201)誤り
0004新聞 定期購読・日刊課税仕入10%課税仕入8%(軽減)週2回以上発行の新聞の定期購読は軽減税率(No.6102)誤り
0005会議用 弁当(持ち帰り)課税仕入10%課税仕入8%(軽減)持ち帰りの飲食料品は軽減税率(No.6102)誤り
0007収入印紙(郵便局)課税仕入10%非課税仕入郵便局など一定の場所での印紙の譲渡は非課税(No.6201)誤り
0008火災保険料課税仕入10%非課税仕入保険料は非課税(No.6201)誤り
0014電気料金通信費水道光熱費社内ルール(電気料金は水道光熱費)誤り
0015災害義援金(寄附)課税仕入10%不課税寄附金は対価を得て行う取引ではない(No.6209)誤り
0016ノートパソコン 2台(1台 税込209,000円)消耗品費確認が必要10万円以上。一括償却資産や中小企業者等の特例の対象かは、経理方式と会社の方針による(No.5403・No.5408)要確認
0017業務用サーバー(税込495,000円)消耗品費工具器具備品少額減価償却資産の基準をいずれも超える(No.5403・No.5408)誤り
00259月分 給与支給課税仕入10%不課税給与は不課税(No.6157)誤り

まとめ:チェックした件数 30件/誤り 9件/要確認 1件

ほかの仕訳が「要確認」として挙がることもあります。たとえば月極駐車場(0002)は、土地の貸付けでも、駐車場などの施設の利用に伴うものは非課税から除かれます(No.6201)。挙がった理由を読み、根拠を確かめたうえで、問題がなければ外します。

Lv2 プロジェクト・スキルで定型化

仕訳チェックで大切なのは、会社ごとの科目のルールです。ルールを登録しておけば、毎月同じ基準でチェックできます。

方法A:スキルとして登録する(おすすめ)

チェックの観点と社内ルールはどの月でも同じなので、スキルに向いています。

  1. スキルのひな形 shiwake-check.zip をダウンロードします。
  2. 中の SKILL.md の「社内ルール」を、自社の勘定科目の使い方に合わせて書き換えます(例:社宅家賃の科目、10万円以上の物品の扱い、使っている税区分の名前)。書き換えたら zip にまとめ直します。
  3. スキルを管理する場所で「+」→「+ スキルを作成」→「スキルをアップロード」の順に選び、アップロードします(詳しくは R1のLv2 を参照)。
  4. 毎月、新しいチャットで仕訳データを添付し、「9月分の仕訳をチェックして」と頼みます。

方法B:プロジェクトに登録する

社内の経理規程や勘定科目の使い方の一覧がある場合は、プロジェクトナレッジに置いておくと、それを根拠にチェックさせられます。

  1. 「+ 新規プロジェクト」から、プロジェクトを作ります(名前の例:「仕訳チェック」)。
  2. プロジェクトナレッジに、勘定科目の使い方の一覧(社内資料)を追加します。
  3. 「プロジェクト指示を設定」から、次の文章を保存します。
このプロジェクトでは、仕訳データの勘定科目と消費税の税区分をチェックします。

・勘定科目は、プロジェクトナレッジにある勘定科目の使い方の一覧に従って判断してください。
・税区分の根拠には、国税庁のタックスアンサーなど公式の情報の名前を挙げてください。
・摘要だけでは判断できないもの、会社の方針によって変わるものは「要確認」としてください。
・出力は「伝票番号/日付/摘要/今の処理/指摘の種類/正しいと考えられる処理/理由・根拠/確度」の表にし、最後にチェックした件数・誤りの件数・要確認の件数を書いてください。

Lv3 Claude Codeで自動化

会計ソフトから出した仕訳データをフォルダに置くと、チェック結果がファイルで出てくるようにします。件数が多い月でも、全件を同じ基準で確かめられます。

フォルダ構成の例

仕訳チェック/
├── CLAUDE.md                     … 社内ルール(科目の使い方・税区分の名前)
├── input/
│   └── 2026-09/
│       └── r5_shiwake_202609.csv   … 会計ソフトから出した仕訳データ
└── output/                       … 結果の出力先

CLAUDE.md には、スキルのひな形の「社内ルール」「チェックの観点」と同じ内容を書いておきます。

Claude Codeへの指示文の例

input/2026-09/r5_shiwake_202609.csv の仕訳を、CLAUDE.md のルールに従ってチェックしてください。
結果は output/2026-09/ に次のファイルで出力してください。

1. check_202609.csv:誤りの可能性がある仕訳の一覧(伝票番号、今の処理、正しいと考えられる処理、理由・根拠、確度)
2. check_kiroku_202609.md:チェックした件数、誤り・要確認の件数、確度が「要確認」の仕訳に対して確認すべきこと

input/ のファイルは書き換えないでください。会計ソフトのデータも変更しないでください。

金額の基準(10万円以上の物品など)のように機械的に判定できるものは、Claude Code にプログラムで全件をチェックさせ、摘要の意味を読む必要があるもの(社宅、寄附など)は、Claude が1件ずつ判断する、という組み合わせになります。

出力されるファイルの例

output/
└── 2026-09/
    ├── check_202609.csv         … 指摘の一覧(10件)
    └── check_kiroku_202609.md   … チェックの記録

check_kiroku_202609.md の例:

# 仕訳チェックの記録(2026年9月)
- 入力:r5_shiwake_202609.csv(30件)
- 誤り:9件/要確認:1件
- 要確認:0016 ノートパソコン 2台 … 経理方式と会社の方針を確認し、一括償却資産または特例の適用を判断する

チェックの記録を毎月残しておくと、「どんな誤りが多いか」が見えてきます。多い誤りは、CLAUDE.md の社内ルールに書き足していきます。

どのレベルでも必ず行う

自分で確かめること

Claudeの出力は、そのまま使わないでください。経理の担当者として、次の点を自分の目で確かめてから使います。

  1. チェックした件数が、仕訳データの件数と一致しているか

    練習データは30件です。Claudeが「30件をチェックした」と答えているかを確かめます。件数が合わない場合は、読み込めていない行があります。

  2. 指摘された仕訳が、元のデータに本当にあるか

    指摘の伝票番号・日付・金額を、元のCSVと1件ずつ見比べます。存在しない伝票番号や、金額の違う指摘がないかを確かめます。

  3. 指摘の根拠を、公式の情報で確かめたか

    税区分の指摘は、根拠に挙げられた国税庁のタックスアンサーなどを開いて、内容が合っているかを確かめます。Claudeが根拠の名前や番号を間違えることもあります。

  4. 指摘されなかった仕訳も、ざっと見直したか

    Claudeが見落とすこともあります。特に、非課税・不課税・軽減税率になりやすい取引(家賃、保険料、印紙、給与、寄附、食品、新聞)は、指摘がなくても自分の目で確かめます。

  5. 「要確認」の仕訳を、自分で判断したか

    練習データの伝票0016(ノートパソコン 1台 税込209,000円)は、経理方式(税込・税抜)や会社の方針によって処理が分かれます。Claudeに決めさせず、担当者が判断して記録に残します。

  6. 練習のときは、正解一覧と比べたか

    r5_seikai_ichiran.csv と比べます。誤りは9件(伝票0003・0004・0005・0007・0008・0014・0015・0017・0025)、判断が必要なものが1件(0016)です。

注意点

入力してはいけない情報

  • 会社の規程やルールで入力が認められていない情報(まず社内のAI利用ルールを確認してください)
  • 摘要に含まれる個人名(立替経費の社員名、給与の明細など)。「社員X」のように置き換えてから使います
  • 取引先の口座番号などの情報

チームプランでは、初期設定のままなら、入力した内容がAIの学習に使われることはないとされています(自分で許可した場合や、フィードバックを送った場合を除く。Anthropic の商用利用規約・公式ヘルプより)。それでも、会社のルールで認められた情報だけを入力してください。

よくある失敗

  • 税制の改正を知らないまま判断してしまう
    税率や金額の基準は改正されます。例えば、中小企業者等の少額減価償却資産の特例の基準は、2026年4月1日以後に取得したものから「30万円未満」が「40万円未満」に変わりました(国税庁 No.5408)。また国税庁は、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、飲食料品の消費税率を1%に引き下げるとしています(国税庁「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A」令和8年9月)。Claudeの知識が古い場合があるので、根拠は必ず公式の最新情報で確かめます。
  • 摘要があいまいで判断できない
    「お茶代」だけでは、持ち帰り(8%)か店内飲食(10%)か分かりません。摘要の書き方を社内で決めておくと、チェックの精度が上がります。
  • 会社ごとの科目のルールを伝えていない
    例えば社宅家賃を「福利厚生費」「地代家賃」のどちらにするかは会社で異なります。科目のルールはスキルやプロジェクト指示に書いておきます。
  • 指摘をそのまま修正してしまう
    会計ソフトの仕訳を直すのは、根拠を確かめてからにします。修正した内容は記録に残します。

確認した公式情報

このページの説明は、次の公式情報で確認しました。法令や会計・税務の制度も、改正されることがあります。Claude の機能や制度は変わることがあるため、使う前に最新の情報を確認してください。

記事名URL確認日
Anthropic 商用利用規約(顧客のデータで学習しないこと:注意点の欄の根拠)https://www.anthropic.com/legal/commercial-terms2026年10月12日
国税庁 No.6201 非課税となる取引https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6201.htm2026年10月12日
国税庁 No.6209 非課税と不課税の違いhttps://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6209.htm2026年10月12日
国税庁 No.6157 課税の対象とならないもの(不課税)の具体例https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6157.htm2026年10月12日
国税庁 No.6102 消費税の軽減税率制度https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6102.htm2026年10月12日
国税庁 消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/qa/03-01.pdf2026年10月12日
国税庁 消費税法基本通達 第4節 郵便切手類等及び物品切手等の譲渡関係(6-4-1)https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shohi/06/04.htm2026年10月12日
国税庁 No.5403 少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5403.htm2026年10月12日
国税庁 No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5408.htm2026年10月12日
国税庁 No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5265.htm2026年10月12日
国税庁 飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A(令和8年9月)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0026008-127_qa.pdf2026年10月12日
Upload files to Claude(CSVのアップロード)https://support.claude.com/en/articles/8241126-upload-files-to-claude2026年10月12日
Claudeでスキルを使用する(日本語版)https://support.claude.com/ja/articles/125121802026年10月12日
Claude が不正確または誤解を招く回答を提供しています(日本語版)https://support.claude.com/ja/articles/85251542026年10月12日